マックと言ったら個人的にポテトとシェイクで、ハンバーガーはおまけです。
そりゃおいしいけど、ポテトとシェイクには及びません。
あのカリカリに焼き上げられたポテトと、脳みそがとろけるほどに冷たくてあまいシェイク。
これを交互に食べられる幸せ。
体に悪いことは分かりきっているのです。
カロリーが山ほどあるのも、塩分だって大量に使われていることも…
それでも、一度このサイクルがはじまると止まりません。
カリカリっとポテトをかじって口の中に油と塩味がガツンときて、それでももりもりとポテトを食べて、口の中が塩っぱくなったらシェイクで流しこむ。
ああ
泣くほどうまい。
ポテトとシェイクがいっしょくたになって押し流されるハーモニー。
体がふるえます。
体に悪いことがわかっていて、塩っぱいのを甘いので消してもどちらも体に悪いから、チャラにならないのもわかっているのに…
飲み干すと甘さとしょっぱさが口の中にわずかに残って、まだまだあるポテトについ手が伸びている。
一口目より二口目の方がおいしい料理ってこれ以外に私は知りません。
熱さと冷たさ、あまみとしょっぱさ。
2つの対比が口の中で行われて、ぶつかってははじけて頭の中がお花畑になります。
脳汁がどばぁっと出てる。
たまらない止まらない。
Lサイズポテトがみるみる減っていきます。
熱々のポテトで、カリカリに固くて、塩っぱくて、口の中が痛くてたまらないのに…
それでも止まらない。
最後の方はポテトがちょっとふやけてくるのもいい。
くしゃってなってカリってなるところもあってよりカリが引き立ってしびれます。
シェイクもやばい。
冷たさと甘さが体の中にすべり落ちるのが分かる。
口の中でふわりと溶けて、体の中をなぞりながら落ちていく快感。
うっとりしてしまう。
官能的とはこういうことを言うのでしょう。
だからいつもポテトとシェイクを見ると、他のものが消えてしまう。
世界がポテトとシェイクを残して消えてしまったよう。
ひたすらに食べる食べる飲む!
夜勤明けくたくたに疲れているのに…
発電機のように猛烈に食べ続けます。
ポテトを最後のひとかけらまで食べ終えて、シェイクを飲み干して、名残惜しくて、ズズーっと吸って大きく息を吐きます。
燃え尽きてしまったように目を閉じて、体の中でうず巻いているポテトとシェイクの余韻にひたります。
うまい…
この味は他では味わえない。
体中で味わいつくして、ゆっくりと目を開きます。
そうして、まぶしい光の中をボロボロの体を引きずるように帰路につきます。