私の中で、ノベルゲームで最高と言えるものがあります。
1つは月姫、もう1つがマブラブオルタネイティブです。
どちらも最高の作品であとは好みという感じです。
夕暮れから宵闇の静けさを味わいたいなら月姫。
暗闇から夜明けの希望と熱すぎる展開を望むならマブラブといった感じです。
(あくまで私のイメージですが)
私がやったノベルゲームの中でも最高の1本を紹介します。
【合わせて読みたい】
マブラブとは?
マブラヴエキストラ編→アンリミット編→マブラヴオルタネイティブと続いています。
最初のマブラヴは複数の女の子に好意を寄せられて、それぞれと仲を深めて仲良くなるゲームです。
ごく普通の美少女ゲームなのですが、その本編におまけのように付けられていたシナリオがマブラブオルタネイティブに繋がっているアンリミット編です。
三部作を通して強烈な美少女ゲームのメタ的な作品になっているのがマブラヴです。
以下マブラヴとマブラヴオルタネイティブのネタバレを含みます!
マブラヴオルタネイティブとは?
表の美少女ゲームのマブラヴがどのようにしてできたかというのが、マブラヴオルタネイティブのテーマだと思います。
だからマブラヴオルタネイティブが言いたいのは、ただ無意味に美少女に好かれるだけのゲームに対するNOです。
美少女複数に好かれるにはこれくらいのカルマ(因縁)がないとだよなぁっという感じです。
そのため美少女ゲームのマブラヴの中では基本的にはただ幸せな主人公白銀武(しろがねたける)がマブラヴに同封されているアンリミット編ではボコボコにされます。
軍隊方式で鍛えられるので、物理的にボコボコにされます。
異世界で宇宙人に侵略されている状況で、男手はすでになく学生兵まで動員しなくてはならないという危機的な状況の中で。
それでも基本的には周りには美少女たちがいるので幸せな生活です。
ただその幸せな生活を送っていると、人類が滅亡します。
そして滅亡するので宇宙に逃げ出さなくてはいけないという展開になります。
無知の罪がとがめられる展開です。
マブラヴオルタネイティブへ
ただの美少女ゲームであるエキストラ編は退屈です。
アンリミット編に入って、物語の深みが増していきます。
そしてオルタネイティブではたぶんやりたかった本当のこと、美少女ゲームに対するメタが始まります。
人類の滅亡を目にした白銀武は、あまりにも大きすぎる敵ベータとの戦いを決意します。
それが絶望の旅の始まりでした。
オルタネイティブも最初は言ってしまえばただの良いゲームです。
ロボットがかっこよくて、主人公が強くて、同じ時間を繰り返しているのでさらに無双できて…
それが地獄につながっています。
くりかえしという悪夢。
シュタインズ・ゲートでも感じたことですが、繰り返さなければいけないのは地獄です。
白銀武には死ぬことすら許されません。
絶望的な状況で、仲間が1枚ずつもぎ取られても。
勝ち目なんてほんのわずかしかない。そしてたとえ勝ったとしても守りたかったものは何一つ残らないのかもしれない…
その絶望と足掻きが圧倒的なスケールと、圧倒的な文章力、映像で作り上げられます。
簡単なミスで人が死ぬ、死体も残さないときもある。
容赦のない物量の違い。機体性能で優っていても真綿で首を絞められるようにどんどん追い詰められていく。
スライムしか敵がいなくても、1しか体力が削れなくても、そのスライムが無限に湧き出したら負けるみたいな話です。
戦争というものの本質が描かれます。
強大な敵とそれに立ち向かうため、悪魔にでもなろうという科学者との狭間で、白銀武は死ぬよりなお苦しい想いをします。
その2つの牙が組み合わさったカイブツに飲み込まれます。
死ぬことでも決して許されない呪い。
自分の存在が大切な人たちを壊してしまう。
自分がいることで日常が壊れてしまう。
繰り返しの中にいるから、死んでも許されない。
けじめをつけるまでは目を閉じることすら許されない。
恐ろしい物語です。
それだけに最高の物語なのですが、2度目のプレイがためらわれます。
かけられたものの熱量で、物語はここまで鋭くえぐるものになるのだと体験させられました!
マブラブオルタネイティブまとめ
美少女ゲームや異世界転生ものについて、とても考えさせられる作品です。
無意味に強かったり女の子にモテたりそんなことありえないでしょ?
って作品です。
死よりも苦しい絶望を経て大人に、一人前の戦士に、そしてハーレムのような美少女ゲームの主人公になる話です。
それが許されるのはそれだけの辛い思いをしてきたからでしょって話です。
絶望を連ねてその底をつきぬけて、涙も悲しみも出し尽くして、その先にある希望にたどりつくための話です。
ほんとに圧倒的でこんなものをよく作れたなと思います。
魂を削るほどの熱量で描かれた最高の物語をぜひプレイしてみてください。
ものすごい長いです。
何十時間もかかります。
それだけの価値のある作品です。
アニメもありますが、ノベルゲームでプレイしてほしいです。
人の想像ほど面白いエンタメの装置はないと思い知らされます。
グロテスクな表現、非人道的な描写、性的な表現も描かれています。
ただしそこがないとこの作品は描けません。
そこを直視してこそやる価値のある作品です。
(なのでマブラヴは17歳以上推奨です)
ぬるい美少女ゲームだなと思って始めると火傷します。
それが快感にまでつながっている作品です!