人とそこそこ会ってきました。
介護職をやって数百人、その中で相性としか言いようのない一緒にいるだけでストレスをためて喧嘩になる人達が居ます。
お金を払って一定の時間一緒にいるだけの介護職なのにそうでした。
(というかお金を払って一緒にいるからわがまま言うんでしょうけど)
おもしろいのは100人中100人に嫌われる人ってぜったいにいないってことです。
100人中90人に嫌われる人はいてもその分残りの10人にはえらく好かれたりします。
逆に100人中100人に好かれそうなほんわかしておだやかで一緒にいて気持ちいい笑顔の多い人でも、100人のうち1人とはぜったいにうまく関係が結べませんでした。
ちなみに訪問介護で管理職をしていたころの私の仕事の中には相性のうまくいかない人たちの仲裁とかクレーム対応が月に1回は必ずありました(職員対職員の場合もお客さん対職員の場合もありました)
ふしぎだなぁっと思いながらとても面白いと思いました。
人に好かれる能力って集団で生きる人間には一番必要な能力だと思います。
訪問介護では特に人に好かれないと仕事になりません。
それなのにどんなに外見を取り繕って、行動を改めて、丁寧に接しても受け入れられない根本的な相性の悪さがある。
100人中90人に嫌われる人はだいたい行動とか表情態度や常識がないなど外的な要因が問題なのでそれを直せば80%の人には嫌われないようにできます。
ただ100人のうち1人の一緒にいるだけでイライラしてしまう人たちの関係はどうやっても改善できませんでした。
遺伝的なレベルでダメなんだと思います。
若い私は相性なんて努力でどうにかなると思っていました。
なのでなだめてお客さんのご機嫌をとってその人をお宅に訪問させていました。
ただ途中から100人に1人の相性の悪さはどうにもならないし、時間が経てば経つほどに険悪になって、サービスそのものが解約されてどうしようもならなくなるものだと知って諦めました。
無理に一緒に居させると他の人ならクレームにならないことがクレームになるし、職員の方もストレスを貯めて自信を失っていきます。
なのでお客さんも、職員も、私も三方がよくなるために相性があんまりに悪いお客さんのおうちにその職員は送らないほうがよいという結論になりました。
相性って本当に不思議です。まったく同じ行動をしているのに(というかそのお客さんに別の職員がやって喜ばれたことを)その人がやると怒られるのです。
相性の良い人がやると
『気が利く』
『とても助かっている』
『あなたのところに介護を頼んでよかった』
と言われることが
同じ行動をしても相性の悪い人だと。
『余計なことをして』
『あの人が使うと道具の調子が悪い』
『ものを盗もうとしている』
などと言われてしまいます。
まったく同じ行動をとっているのは知っていたので面白いなぁっと心の底から思いました。
ちなみに相性があんまりよい人を家に入れても悪いことが起こります。
個人的に家に来てサービスをやってくれないかと交渉されてしまうからです。
訪問介護の事務所を通さないで仕事を依頼するということですね。
まぁ、それは問題にならない範囲なら勝手にやってもらっていいんですけど、なんでだかこの場合も問題が起こります。
特別な関係になると人はその関係にもたれて『これくらいならいいや』となまけるようになるからみたいです。
なので私の事業所ではお客さんとの距離が近づきすぎないために以下のことを徹底していました。
- お客さんは苗字にさん付けで呼ぶ
- お客様都合でのサービスの延長には必ず延長料金を取る
- お金をもらってサービスを提供しているプロであることを忘れない
この3つを守る方がお客さんとの関係がなぜかうまくいきます。
下の世話までする介護職だから、深く近づいてしまって相性の問題が起こるのでしょうね。
そして近づきすぎてしまうと家族のようになってお互いがわがままになって喧嘩別れになってしまう。
家族より近づく介護しならではの相性問題でした。