介護をしていると現役のお医者さんと話す機会も多くなります。
病院に受診する回数が多くなるので当然ふつうの生活を送っている人より多くお医者さんに会うことが多くなるのですが、その時はたまたまお客さんのご家族が医療関係者のえらい人で、その人と話す中で出た話です。
現在は法整備が変わっているかもしれませんが、この話を聞いた2010年くらいはこういう状態でしたって話です。
ダークな話になります。
暗い気持ちになるので苦手な方は読まないでください。

現役ドクターの話
Dr『ドラマでお医者様はいませんかって言うじゃないですか。私なら絶対にそういうとき絶対に手をあげません』
家に訪問してその方のお母さまを介護していた際にあった言葉です。
なのでウラとその人の関係はお客様のご家族ということになります。
昼ドラでそんなシーンが流れていたのか、何かきっかけがあってそんな会話になったと思います。
ウラ『なんでですか?』
息子さん世話好きで人当たりもよい方だったので不思議に思って聞いてみました。
Dr『そういって出て行って診察した場合、初見で発作がおきているとても難しい患者さんなんです』
Dr『海外とかだとそういった時の誤診は法律で守ってくれる場合もあるのですが、日本だとその誤診をした先生のせいになってしまう』
Dr『プライベートの時間を割いて診察しても得にならないばかりか損してしまう。だから私はこういう場合に絶対手を上げないようにしているんです』
ウラ『なるほど』
恐ろしい話
とてもわかりやすい説明で、それだけにひどく恐ろしい話だなぁっと思いました。
この国では旅先で電車や飛行機の中で体調が悪くなってもお医者さんが手をあげたくない仕組みになっている。
助けても間違えた診察をしてしまった場合その善意のお医者さんに責任が問われる。
それでも出てきて診察をするのが医者の勤めだろうっていう人もいるかもしれませんが、もし私が同じ立場だったら絶対に出ていかないです。
医者になるまで数千万円と大学出てから稼げるようになるまでも何年も時間がかかります。
それを見ず知らずの人のために失うリスクを負えるかって言ったら無理だと思います。
知らない状態の悪い患者さんってだけで尻込みしてしまうのに、さらにその法的な責任まで背負わされるなら、手はあげたくてもあげられないです。
この仕組みを聞いて名乗り出られない方が大半なのではないかなぁっと思いました。
法整備
めったにない事態だからこういう法整備って進まないのかなぁって思いながら聞いていました。
真冬の怪談じみた話になってしまいましたね。
最初に話した通り現在の法律がどうなっているのかウラは知りません。
声をあげる人が少ない仕組みの変更は後回しにされる。
もちろんコツコツ法整備をして住みやすいように頑張っている官僚や政治家の方たくさんいると思います。
ただ民主主義の問題って大きな声じゃないと響かないし変わらないことにもあるんじゃないかなぁって思いました。
読みにくい法律の文章がさらにそこに拍車をかけます。
オープンリソースにしてわかりやすい言葉に書き変えて変な部分現状にそぐわない部分を変えられるようにできていけたらいいのになぁっと思いました。
他力本願ですみません。
こういう事態になっても助けてもらえる確率は少ないですよって話でした。