黒川伊保子さんの『成熟脳』という本の中の一節が気に入ったのでシェアします。
人は14歳の脳で生きていると言う話です。
装置として人の脳を見たとき、28歳までが入力装置、それ以降が出力装置として働いているそうです。
28歳まででもさらに子供時代12歳までの脳は、物事を五感で感じた情報まで記憶しているということでした(だから幼い記憶は匂いや味まで連れてくるらしいです)
生まれ落ちたこの世界のありようを全身で把握しているらしいです。
みずみずしい感性の塊のような時代なのですが、欠点としてそうやって記憶すると容量があまりにも大きくなりすぎてしまうそうです。
子供のころ時間があまりにも長すぎて、この膨大な時間の中を老人になるまで生きるなんて、拷問じゃないかと考えた時期があります。
同時に20歳をすぎて感じた1年の圧倒的な速さ。
それはつまりこういうことなのかと実感できました。
13歳で脳はシフトチェンジして出会った事柄に対して、過去の記憶と比べてその差だけを覚えるという形に変わるそうです。
この方式だと圧倒的に記憶の容量を食わないで覚えることができる。
同時にみずみずしい感性が失われます。
過去の記憶が増えれば増えるほど引き出しが増えて、断定的に物事を語ることができるようになる。
大人が持つ自信と頭の固さの原因ですね。
そしてその記憶での判断はときを重ねるほど強固になって、断言することができるようになっていきます。
大人の脳は比べることで世界を見ているって話ですね。
日々引き出しを増やしながら。
ただその比べる引き出しが少ない13歳までは大人脳がもっとも脆弱な時期で、何かを判断することができにくい時期でもあるようです。
そして14歳で大人脳が完成する。
つまり人は14歳の感性でずっとそのあとの人生を生きていくことになる。
なんとなくわかっていたことだと思います。
テレビを見てもドラマ見ても自分の周りでも、思春期は葛藤の時期で、答えを求めるためにうろうろしたり、トラブルを起こしたりするから、なんとなくそれは理解されて居たと思います。
でも改めてそれを言語化して脳の専門家に聞くと、人の脳の美しさに感動します。
自分の脳の癖とか形とか染み込むようにわかりました。
14歳の自分が感じていた息苦しさと不安、はまっていた小説やアニメ部活、仲間外れの事件とかを思い出しました。
ウェルスダイナミクスの研修では7歳までにできた性格はその後変わらないという話でした。
クマは7歳の頃の記憶がほとんどないので、12歳までの記憶と、13歳の葛藤、そして14歳の感性で人は生きているの方がピンときました。
黒川さんの本は、語感が心地いいなぁと思います。
成熟脳:脳の本番は56歳から始まるという本なので、もっと発見があればまたシェアします。
あなたはどんな14歳でしたか?