※この記事には絵本エントツ町のプペル、舞台エントツ町のプペルのネタバレを含みます。
今年の12月に公開予定の映画エントツ町のプペルについて考えてみました。
西野亮廣さんは、映画化を見越してこの絵本を書いたと言っていました。
ならばこそそれに耐えられるバックグラウンドがこの物語にはあり、深く掘り下げられるように作られているのだと思います。
舞台化は想定外だったのか想定内だったのかわかりませんが、少しアダルトな内容になっていました。
エッチなという意味ではなくて、『プペル』の敵は『エントツ町』であり、エントツ町は『腐るお金』を流通させお金が循環し続ける経済的に成功した町でした。
ただ『腐るお金』の存在を外の世界に漏らさないように、4000メートルの崖に囲まれた。煙で包まれ空も見えない町が作られました。
※1度腐るお金は世界銀行から睨まれて250年前世界から追放された過去があります。
舞台エントツ町のプペルのテーマは感情であり、敵だと思います。
それで言うとキーワードは腐るお金であり、それを維持するための極端に異端を排除する、閉鎖的構造こそが敵です。
なら映画エントツ町のプペルのテーマは?
ここからは完全なクマの考察です。
90分の尺になるように掘り下げが必要なら方法は2つだと思います。
①今まで隠されて語られていなかったハロウィンプペルのストーリーを掘り下げる。
②今まで語られなかったエントツ町の住人のストーリーを掘り下げる。
①はないかなぁと考えています。
絵本を読み直して映画化するならと考えると、プペルの正体が父ちゃんであることはわかっているのですが、プペルがなぜ生まれたかの話は深く掘り下げられていません。
物語には意味が必要であるように、物語の絵本には奇跡が必要だと思います。
それでいうと①は奇跡のネタバレはするかなぁと考えました。
やさしい魔法を解くようなまねはしないのではないかと思いました。
なら②のそれぞれのキャラクターの掘り下げをして、より物語の意味を掘り下げるのではないかなと思いました。
舞台エントツ町のプペルではアントニオの過去が明かされました。
ある夜アントニオは星を見てしまいます。
自分があんなに馬鹿にしていた星を、でもそれを見たことはこの町ではあってはならないことでした。
だからアントニオは星を見た記憶を封印しました。この町で生きていくために。
なのにプペルとルビッチはどんどん空へ、町の核心に近づいていきます。
だからアントニオはプペルとルビッチをいじめました。
自分のように目を閉じてしまえと。
最後のシーンでそれがひっくりかえります。
空を見るために気球を作った2人に行けとアントニオが叫びます。
感動的な転換でした。
こんなエントツの煙に隠されたバックストーリーが各キャラクターにあり、それらを掘り下げることで物語は加速していくのではないかなと考察しました。
それでいうと映画エントツ町のプペルのテーマはベタですが『感動』じゃないかなと思います。そこに至るまでの過程を丁寧に描くのではないかなと。
そしてプペルの謎は掘り下げられるかもしれませんが、そのやさしい魔法はそのままに大きく世界を包みこむのではないかなと思います。
私の想像であり、同時にナナメ上に裏切って欲しいなと思います。
舞台で感じた翻弄される快感を、また映画でも味わってみたいと心待ちにしています!