※この記事は絵本エントツ町のプペル、舞台エントツ町のプペルのネタバレを含みます。
舞台と絵本の対比と、オルゴールワールドとエントツ町のプペルの対比、2つの対比で書いてみようと思います!
オルゴールワールドとの1番の違いは関わっている人間の数です。
エントツ町のプペルでは絵本の後ろの制作に関わった人総勢40名以上、そして英語の訳がついています。
逆に変わらないものはなにか?
根底に流れる世界観は変わらないように思います。ただ関わっている人のためか。その世界の広がりを強く感じられました。
毎朝YouTubeで流れている西野亮廣さんの話を聞いて、世界に挑戦すると決めた作品、クリエイター西野亮廣が西野亮廣というブランドになったのがこの作品なのではないかなと思いました。
卵が先かひよこが先かわかりませんが、良い作品を作るために世界に挑戦する必要があったのか。世界に挑戦するために良い作品を作ったのか。
わたしは前者だと思います。
西野亮廣さんには革命の血が流れています。
血と言うと大袈裟かもしれません。
不可能という辞書に屈するのが大嫌いな性質があると思います。
負けん気が強いのでしょう。
やるなら世界一だ。
その気概を感じます。
世界と戦うために必要だったのは、ずっといたい物語の世界。
どこかで自分1人で書く絵本に西野さんは限界を感じたと思います。でもたぶんそれが始まりだった。
1人でできる限界が物語を広げた。
エントツ町のプペルはもとから映画化を狙った作品だと本人が言っていました。広がり続けることを前提に作られたものなのだと思います。
舞台もエントツ町のプペルの広がる世界の一環だと思います。
絵本と舞台の1番の違いは明白な敵が居ることです。
感情を表現するのが得意な舞台では敵がどうしても必要だったのでしょう。
絵本にも敵は居ますが絵本で最大の敵は種族の違いです。
一方舞台の敵は、エントツ町そのものが最大の敵です。
この町を作った構造そのものとの戦いです。
対立構造が重なったわけです。
いやでも盛り上がります。
町の閉塞感、突き抜けると馬鹿にされ、排除される社会。
誰もが感じている息苦しさ、種族と町と2つの敵を突き破って物語は飛躍します。
種族の違いはその奥に流れる気高さで、町との戦いは重なりあった2人の強い思いに町の人が惹かれて、次次と壁を飛び越えていきます!
感動のラストになります。
絵本エントツ町のプペルという作品をみちしるべに、どんどん広がる世界にわくわくします。
最後に1点だけ。
違和感を感じた場所があります。
絵本エントツ町のプペルでは最後プペルは父ちゃんであって欲しくなかった。
プペルはあくまでハロウィンプペルでいて欲しかった。
プペルという存在に強く引き込まれてしまいました!
それくらいずっとひたっていたい絵本です。