
- 作者:岡田 尊司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2019/09/18
- メディア: 新書
赤ちゃんのころ、母親から愛情をそそがれなかった子供は、自傷行為や節食障害に走りやすい。
それらの派手な行為に走る理由は『私を愛して』だというのです。
衝撃的な内容でした。
幼子のころ、特に赤子のころ愛情をもって抱かれ、乳を与え、無償の愛をそそがれ、自分自身を肯定されないと、その後一生に影響を与え、生きていても仕方ないと思ってしまう確率が高まるそうなのです。
結果自傷行為に走ってしまう。
医師やカウンセラーがそれを止めると自殺してしまう。
自傷行為そのものは愛情をそそがれなかった代償なので、派手な行動に目をとられ臭いものにフタをする対応だと、それこそ死に至ってしまいます。
著者は愛着障害がこれほど取り上げられるようになったのは医療の進歩で、以前はすぐ死んでしまっていた愛着障害の患者が生き延びる確率が増えたからと言います。
また愛着障害が増えたのは女性の社会進出が進んだから、社会が他者に無関心になったから。
読めば読むほど引き込まれます。
愛着障害の奥の深さと、このような病気があるということを知ること。
なによりそれが愛着障害の治療に繋がることになるのではないかなと思います。
私は社会の生きづらさの理由が1つわかった気がしてうれしかったです。
ぜひ読んで欲しい一冊です。