AI 開発者の視点から男女脳の違いを教えてくれる著者ですが、もう一つの顔が語感の専門家です。
この本はそんな語感の専門家である著者が日々のなにげない『感じることば』の短編集です。
大好きな本で、何度も読み返してしまいます。
日本語は語感と意味の繋がりが深いとか、それは島国で一つの言葉を使ってきたからじゃないかとか。
へーっと、させられます。
それ以上に、著者の語感の世界観がすごい。
妖精の住む世界みたい。
私は本気で、著者は魔法使いなんじゃないかと思っています。
言葉の感じ方1つで世界はあざやかに色を変える。
この本は異世界へのパスポートなんじゃないかと読むたびに思います。
・人は便利だから、安心だから『家』を愛するわけじゃないらしい。自分がいないと成り立たない、手がかかるからこそ、それが愛おしいのだ。
・男は、いったん愛すると決めたら、いちいち評価なんてしないものだと~『こいつが自分の女房』と決めた以上、自分の体の一部のように、自分の女房を感じていくのだ。
とにかく感じることばが多いです。
著者を脳やAIの専門家で、論理的な固いひとだとだと思っていると、情緒的でうっとりとする文章に驚かされます。
この著者の魅力は科学と情緒をあわせもつところだと思います。
それは男性脳の論理性も、女性脳の超能力じみた感性も、著者が大好きだからじゃないかと思います。
だから、心のなかで何度も反芻される言葉をつむげる。それは魔法のように人生を豊かにしてくれる。
そしてそれは思い込み、常識、で割りきり、子供だから幼いとか私が教えなくちゃとか思うのではなくて、面白いわくわくすると好奇心をもって、とらえる心のやわらかさじゃないかと感じました。
それが本当に頭がいいってこういうことじゃないかなと思います。
何度も何度も読み返して、落ち込んだとき、うれしいとき、その自分に反応することばを見つけて、そのことばとのセッションを楽しんでいます。
この一冊があなたの人生をゆたかにしてくれたら幸いです。